北アルプス

白馬岳

2932.2m

唐松岳

2696.4m

白馬岳


和牛料理の宿・ひまわり

白馬八方尾根・旅館たきみや

 

 


登山コース解説

日本ガイド協会 登攀ガイド    土谷 暢

概 要

 白馬岳は飛騨山脈の最北端に位置し大変複雑な地質構造をしており北東にはかつて火山活動が行われた白馬乗鞍岳などがあり、頂上付近は古い時代の岩石が広く分布。
 白馬岳の名前であるが昔この北東に位置する小蓮華岳に対して大蓮華岳と呼ばれたこともある。春に雪解けが始まり山肌に黒く代掻き馬が現れ、その雪形から代馬(シロウマ)と呼ばれたのが白馬になったもので、多くの人がシロウマダケと呼ぶのはそのためである。
しかし、地元では村名が白馬であるためハクバダケと呼ぶ人が多い。この横に並ぶ杓子岳、白馬槍ヶ岳の二峰を合わせて白馬三山と呼んでいる。

白馬岳
25000/1 : 25%縮小

登山コース

 猿倉から白馬岳

 一般的なルートであるが白馬駅からバスもしくはタクシーで猿倉まで行き、そこが登山口となる。
この山の特徴であるが第一に花の多さで350種近くの花が存在する。第二に雪渓であろう。日本三大雪渓のうちでもっとも長く標高差もある。氷河遺物として日本の氷河の存在をはじめて主張されたのもここである。

 猿倉山荘の脇から樹林の中を進み暫くすると林道に出る。鑓温泉に向かう入り口を過ぎ、大きな角材を渡した沢を渡り御殿場と呼ばれる地点で林道は終了。
ここから登山道に変わるが、よく整備され歩きやすい道が続き、小さな沢を渡るとすぐ小屋が見えてくる。白馬尻の小屋である。手前が村営で、上が白馬館経営である。この山小屋には水場、トイレともにある。

 トイレはここが最後で、早い時期だとここから雪渓になり雪の上を歩くが、夏になると雪もこの辺りはなく、樹林のほうに歩を進める。しばらく上るとケルンのある少し開けた所に出る。
ここでアイゼンを装着し雪渓の上に出る。初心者はアイゼンのつけ方を前もって練習しておこう。このスペースがアイゼン装着者で一杯になってしまう。

 雪渓の上は紅がまかれルートが示されている。雪渓を渡る風は夏とはいえ冷たいから長袖、長ズボンを奨める。
雪渓の上は少し歩幅を狭くして、一定のリズムで登る。ここは落石が多く、雪の上は音がしないので十分な注意が必要だ。休憩の時も、上を向き落石に気を配る。(本当は雪渓上では休憩をしないほうがよい。落石事故を防ぐためにも)雪渓上にある石すべてが落石である。

 大雪渓の終了点はネブカ平である。ここへの取り付きは時期によって少しずつ異なる。雪渓が終わったからといって即アイゼンをはずす事なく、歩きにくいけれど暫く登り、スペースのある所ではずし休憩としよう。ネブカ平の取り付きが込み合って動けなくなってしまい、落石事故の危険性も増す。

 この先コースの両側に可憐な高山植物が見られる。途中小雪渓をトラバースするようになるが足場が切られており、しっかりしたルートになっているがかなりの急傾斜、不安を感じたならば迷う事無くアイゼンをつけるべきである。

 これを抜けるとお花畑になる。高山植物はより種類も数も増す。避難小屋があり、そのすぐ先に涌水場所があり、のどを潤すことも出来る。やがて村営宿舎が見えその先で稜線に出る。

 少し目を上に上げると、白馬山荘が横に広がる。大きな山小屋である。その間を抜けてゆく。右の宿舎が長野県で左の宿舎が富山県になる。暫く上ると白馬岳の山頂である。稜線の右と左で斜度が大きく異なり、典型的な非対称山稜の様相を呈している。

 白馬岳 〜 白馬大池 〜 栂池自然園

 白馬大池に向かうルートは、危険は少ないが注意して歩くのに越したことはない。
前方、斜め右に小蓮華、白馬乗鞍への稜線が続き、斜め左の方は鉢ヶ岳、雪倉、朝日岳へと続き、天気の良い日は朝日小屋が見える。
(白馬岳のすぐそばにもアサヒ岳があるがそちらは旭岳で祖母谷温泉に下るルートとなる。)やがて三国境と書かれた道標があり、そこが長野県、新潟県、富山県の県境となる。雪倉方面へ向かう分岐にもなる。

 道を右にとり小蓮華へと向かう。その頂上には菩薩が祭られ、大きな剣が立てられている。高度を下げるにつれ、池と赤い屋根の小屋が見えてくる。白馬大池とそこの小屋である。その周囲のハイマツの間には雷鳥を見ることも多い。なるほど、池に下る坂も雷鳥坂と呼ばれるわけである。

 池の周囲は白山小桜、チングルマなどが群生しており、目を楽しませてくれる。ここでは水の補給、トイレが可能である。標高約2400m弱である白馬大池は、白馬乗鞍岳の火山活動によって出来た火山堰止湖であり、流れ込む川はない。雨、雪解けで水が供給されるが、あふれたという話は聞いたことがない。ある一定の水位のところで、下部の方に水脈でつながっているのだろうか。?

 山荘の左横から大池の横に出て、安山岩の岩塊で足場の悪い、ルートを登り、白馬乗鞍岳の頂上。その先下りのみであるが、天狗原手前まで、早い時期だと雪が残り、アイゼンを付けてのくだりとなる。夏は、やはり安山岩の足場の悪い下りのルートである。

 天狗原は、木道で整備されており、雪が残るが、わたすげ、チングルマが咲き乱れる。木道の途中から風吹大池、蓮華温泉へ向かう分岐があるが、真夏でも通る人の少ない少々荒れた道である。天狗原は、高所湿原で、この湿原を過ぎると、よく整備されたくだりの道が栂池自然園へと続き、そこからロープウェイ、ゴンドラを使って山麓駅へと向かう。

 白馬岳 〜 鑓温泉 〜 猿倉

 山荘から鑓温泉経由の猿倉は距離が長く、鑓温泉の山小屋で一泊するのが通常である。が、健脚の人はその日のうちに猿倉まで下ることも十分可能である。

 今回は通常の行程で行くが、いずれにしても早朝に小屋を出発しよう。二つの意味が有る為。村営小屋の上の方を通り、杓子岳へ向かうが、稜線のため風の強いことも多々。丸山と呼ばれる小高い所から下りはじめ、杓子に登る、いわゆる鞍部の所まで進行方向右手に条線状構造土がきれいに見られる。
 これも氷河地形のひとつとされており、興味をそそられる。この辺りは流紋岩と呼ばれる白っぽい岩石で一面覆われており、高山植物もなく荒涼としている。

 杓子岳のピークへの道と、通過しない巻き道とがあるが、ガスが出て視界の悪い時はピークへのルートは分りずらい。ここは頂上へのルートを進もう。比較的細かい石が敷き詰められた感じで歩きにくい。歩くときの進む力を石がずれないように伝えることが必要で、これにより登る時の疲労度がかなり違う。
 頂上から今来た方向を振り返ると、白馬岳と二つの山小屋、大雪渓が見える。

 ゆっくりと下り、先ほどの巻き道と合流し、白馬鑓へと向かう。実に殺風景な山であった。この先のほうが歩きやすい。地質構造が複雑で、少し歩いただけで岩質がどんどん変わる。白馬、杓子、鑓、この三つの山を白馬三山と呼び、下から見ると奇麗に三峰が並んでいる。

 ここ白馬鑓のピークから北を見ると、白馬、杓子の二峰の非対称山稜が良く解る。西側に目をやると、気持ち近くなったように感ずる剣岳が見える。白馬鑓からの稜線を下りきった所に鑓温泉と不帰の剣方向への分岐がある。

 稜線で風が強いのもここまで、この分岐を左に大出原へと向かう。大出原は高山植物の大群落で人も大雪渓のお花畑よりはるかに少ない。「すばらしい」の一言だ。鑓温泉で泊まるゆっくり行程なのに早出をした一つの意味がここにある。この大出原で花を見ながらゆっくりしよう。このような時間が、山行の中にあっても良いだろう。

 早い時期だと下部には、かなりの雪が残り鎖場へと進む。雪が無ければあまり歩きやすい道とはいえない。鎖場は常に岩が濡れており、滑りやすく注意が必要である。暫く進むと、小屋が見えてくる。温泉の硫黄の匂いもしてくる。明朝、出発まで温泉三昧である。二つ目の早立ちした意味がこれである。

 翌日、小屋を発ち、猿倉へと向かうがこの日は比較的ゆっくりである。幾つかの雪渓をトラバースして、(幾つかのと書いたのは、早い時期はトラバース箇所が多く、6〜7箇所あり、夏だと2箇所位になる。もちろんより遅い時期だと全くなくなってしまう。)所々急傾斜を横切り、アップダウンを繰り返し小日向のコルへと到着。
ほぼ半分の地点である。

 見上げれば昨日登ってきた杓子岳が木々の間から見え、頂上へと通じる尾根も見える。雪がついているときの杓子岳への直登ルートはこの尾根である。荒れた道はここまで、後は比較的歩きやすい道を下るのみで、猿倉へと向う。

登山適期


  5月中旬〜11月上旬

交通・アプローチ

  J R

<行き>

・(新宿→白馬)中央線、大糸線時刻表

土日クリック

平日→クリック


・(東京→長野)長野新幹線時刻表

土日クリック

平日→クリック

・(長野→白馬)路線バス時刻表(約1時間)

   クリック

川中島バスTEL.026-221-6100


<帰り>

・(白馬→新宿)大糸線、中央線時刻表

土日クリック

平日→クリック


・(白馬→長野)路線バス時刻表(約1時間)

   クリック

松本電鉄TEL.0261-72-3155

・(長野→東京)長野新幹線時刻表

土日クリック

平日→クリック


  長距離高速バス

・(新宿←→白馬) 高速バス時刻/料金表

   クリック

京王バスTEL.03-5376-2222


  観光路線バス
・白馬駅〜栂池高原(23分)/白馬駅〜猿倉(27分)
・白馬山麓シャトルバス→クリック  問い合せ 松本電鉄 白馬営業所 TEL.0261-72-3155

  マイカー・タクシー

・蓮華温泉、栂池高原、猿倉に駐車場あり。

・白馬駅

アルプスタクシー

TEL0261-72-2221

/白馬観光タクシーTEL0261-72-2144

・白馬大池駅

名鉄タクシー

TEL0261-83-2233

・南小谷駅

小谷タクシー

TEL0261-82-2045

  ゴンドラ・リフト

・栂池パノラマウェイ

クリック

問い合せ 白馬観光開発

TEL.0261-83-2255

・八方尾根ゴンドラリフトアダム

クリック

問い合せ 八方尾根観光協会

TEL.0261-72-3280

・白馬五竜テレキャビン

クリック

問い合せ 白馬五竜

TEL.0261-75-2831

地形図

5万分の1/

25000分の1/

登山計画書
提出場所

●大町警察署 〒 398-0002 大町市大町2895 TEL0261-22-0110

・栂池平コース

栂池高原駅ポスト

・大雪渓コース

猿倉荘登山届ポスト

・八方尾根コース

八方池山荘登山届ポスト

問合せ

●白馬村観光連盟 TEL0261-72-3232

●小谷村観光連盟 TEL0261-82-2233

・白馬山荘

0261-75-3361

・鑓温泉小屋

0261-72-2002  

・村営栂池山荘

0261-83-3113 

・村営頂上宿舎

0261-75-3360

・天狗山荘

0261-72-2279  

・白馬大池山荘

0261-72-2002 

・白馬尻小屋

0261-72-2002  

・唐松岳頂上山荘

0261-22-4291  

・村営白馬尻荘

0261-72-2279  

・村営八方池山荘

0261-72-2855  

 

・村営猿倉荘

0261-72-4709  

・栂池ヒュッテ

0261-72-2002  

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