松本の山岳ガイド団体の講座人気

技術習得高まる意識

楽しみ方多様化講座数増やす

信濃毎日新聞 掲載

平成26年4月9日(水)


 山岳ガイドらでつくる松本市のNPO法人「信州まつもと山岳ガイド協会やまたみ」が企画する登山講座の人気が高まっている。多様化する登山者や目的に合わせてメニューを増やしたところ、複数講座で定員がいっぱいに。山を始めて数年経過し、知識や技術を学ぶ必要性を感じる登山者が安全登山につなげようと受講する例が多い。

 今年設立10年目を迎えるやまたみには、約50人の山岳・自然ガイドがいる。北アルプス南部や美ケ原高原を中心に、四季を通じて基本的な知識や技術を学べる講座を展開している。

 事務局石塚聡美さん(49)は、最近の登山者の傾向について 「ピーク(頂上)を目指すだけでなく、写真を撮りながらゆっくり歩きたいなど、目的が多様化した」と言う。需要に応じようと、今年は講座数を7から12に増やした。

 新たに設けたのは、「トレッキングクラス(初級)」 「歴史に触れながら里山を歩こう」「のんびり山歩き」 「バックカントリー(スキー)」 「スノーシュー(西洋かんじき)で雪山を歩こう」の各講座。期間は通年や半年で、月1〜2回のペースで開く。定員10〜40人。料金は1回当たり3千〜7千円だ。

 石塚さんによると、2月以降に募集を始めた7講座のうち、新設のトレッキングクラス、里山歩きを含む4講座が既に定員を満たした。「登山未経験者は最近減った。数年続けてみたが壁に当たり、技量を向上したいと考える人が多い」とみる。ウェブサイトを見て申し込む首都圏在住者が目立っているという。

 県内の山岳遭難件数が2010年から4年連続で過去最多を更新している状況を踏まえ、石塚さんは「安全に登山を楽しむすべをプロのガイド集団として伝えたい」と意気込む。自然環境に配慮した登山マナーの講習にも力を入れるという。問い合わせは、やまたみ(0263・34・1543)へ。

写真:蓼科山に登った2月の講座で、雪上歩行の技術を学ぷ受講生ら