ネット登山届、活用開始

県警、山岳ガイド協会と協定

信濃毎日新聞 掲載

平成25年09月03日(火)

スクラップ


 県警は2日、遭難者の捜索に役立てようと、公益社団法人日本山岳ガイド協会(東京)が開発したインターネットを利用した登山届システムの活用を始めた。同協会の役員が同日県庁を訪れ、県警と協定を結んだ。同システムを活用するのは全国の都道府県警で長野県警が初めてとなる。

既に1500人登録

 システムの名称は「山と自然ネットワークコンパス」。登山者が事前に緊急連絡先として近親者のメールアドレスなどを登録し、計画書を書き込む。下山予定時刻から7時間過ぎても登山者本人からの下山の連絡がない場合、近親者に自動的にメールを送信。近親者は遭難したかすぐに把握できる。登山者に対しては今年7月から受け付けを始めていた。

 近親者が警察に捜索願を出せば、警察はシステムを使って、該当者の計画書を素早く見つけて捜索につなげる。これまでは各警察署や登山口の提出箱に出されたものを探していたため、時間がかかっていた。

 この日の協定調印式で、県警の佐々木真郎本部長は「県内の山岳遭難の発生は全国最多で危機的状況だ。登山届の提出率向上にもつながる」と強調し、同協会の磯野剛

太理事長は「長野県でモデルを作り、全国各地に同様のモデルを広げたい」と話していた。

 同協会によると、これまでに同システムの登録者は約1500人あり、このうち約600件の登山計画書の書き込みがあった。

写真:インターネットの堂山届システムについて協定書を交わす磯野理事長(左)と佐々木本部長