白馬大雪渓長さ100b深き15bのクレバス

発生異例の早さ

信濃毎日新聞 掲載

平成25年08月04日(日)


 北アルプス白馬岳(2932b)の白馬大雪渓に長さ約100b、深さ約15b、幅約5bのクレバス(雪の裂け目)が現れ、登山者を驚かせている。北ア北部地区山岳遭難防止対策協会によると、この時期に見られるのは異例。3日は今季最多の約千人が北安曇郡白馬村猿倉から大雪渓に入山しており、遭対協隊員らが安全な道を確保した。

 大きな裂け目は標高1800b付近に4本。遭対協によると、例年は8月中旬ごろに発生するが、雨の影響で雪解けが進むのが早かった影響とみられる。残雪量が多い分、規模も例年より大きめで、薄暗い裂け目の底をのぞき込むと、吸い込まれそうな怖さを感じるほどだ。

 3日は夏山常駐パトロール隊員と遭対協隊員がロープなどを使って、クレバスを回避するルートを整備。落石の危険のある岩場で休む登山者には、「速やかに移動してください」と注意を促した。副隊長の松沢幸靖さん(46)は「安全登山が第一」とした上で「クレバスも大雪渓の魅力の一つ。ルートからも見ることができるので、雄大な自然を体験してほしい」と話していた。