富士山の入山料 来年夏本格導入

静岡県 山梨側と調整

信濃毎日新聞 掲載

平成25年04月09日(火)

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 静岡県は8日、富士山の世界文化遺産登録に向けた同県の会合で、環境保全の財源に充てる「入山料」について、来年の夏山シーズンに合わせ、本格的な導入を目指す方針を示した。今年夏に試験導入したい考えだ。

 富士山の世界文化遺産登録は6月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で審議され、登録の可否が決まる。川勝平太知事は会合で「結果がどちらになったとしても、やらなくてはならないことだ」と、登録が見送られても導入の検討を進める考えを示した。登録に向け、地元として環境保全の強い姿勢を示す狙いもある。

 川勝氏と横内正明山梨県知事は2月、入山料を徴収する意向をそろって表明していた。ただ静岡県は、本格導入のスケジュールについて、山梨との調整が完了しておらず流動的としている。

 静岡県が8日の会合で示した計画によると、今年7〜8月の試験導入を目指す。登山者を対象に金額や徴収の是非についてアンケートし、有識者らの会議で金額や徴収対象、方法などを詰める。来年2月に地域住民や観光関連団体などから同意を得た上で、本格導入の可否を決める。

 山梨県の担当者は「静岡県としての目標を示したということ。人導入に向けて)関係者の同意を得られるよう努力していく」としている。

 富士山の入山料は、環境問題の深刻化を受け、これまでも両県で議論されてきたが、観光客の減少を懸念する地元の意見もあり、実現していない。


山梨県も富士山入山料の来夏導入前向き

信濃毎日新聞 掲載

平成25年04月10日(水)

 山梨県の横内正明知事は9日の記者会見で、来年夏に富士山入山料の本格導入を目指すとした静岡県の案について「関係者の同意が得られれば、そのスケジュールでよい」と同調する意向を示した。

 横内知事は「富士山が世界遺産に登録されれば、入山者が増え、保全のための経費が必要になる」と指摘。一方で、登録が実現しなくても「(入山料は)検討すべき課題だと思う」と述べた。

 静岡県は8日、富士山の世界文化遺産登録に向けた同県の会合で、来年の夏山シーズンに合わせ、本格的な導入を目指す方針を示していた。