環境型トイレ1回200円

頂上と宝剣の2山荘来年度試行

「維持費に出見合う収入確保」

信濃毎日新聞 掲載

平成25年03月22日(金)

スクラップ


 中央アルプス駒ヶ岳周辺にある山小屋関係者らでつくる協議会は21日、上伊那郡宮田村の第三セクター宮田観光開発が経営する三つの山小屋で来年度以降、環境型トイレの使用料を試験的に1回100円から200円に上げる方針を了承した。同社は、トイレの維持費用に見合う収入を確保するためと説明。県内では100円としている山小屋が多く、県自然保護課によると、200円とするのは初めてとみられる。

 同社は駒ヶ岳周辺で頂上山荘、宝剣山荘、天狗荘を経営。2002年度に宝剣山荘で、11年度には頂上山荘でトイレを環境型にした。ともにし尿を微生物で分解、液化する土壌処理方式だ。同社によると、本年度、宝剣山荘のトイレの維持管理費は概算で約150万円。一方、宿泊客と通過登山者を合わせた使用料収入は約120万円だった。

 来年度は、頂上山荘と宝剣山荘で料金箱を置いて使用料200円を試行する。天狗荘のトイレも来年度中に環境型に整備し、利用を始める14年度から同額を求める方針。協議会はこの日、宮田村で開いた会合で、環境省の山岳トイレ整備補助事業の対象に天狗荘を推薦することも決めた。費用は約5千万円で、半額の補助を見込む。

 県自然保護課によると、県内では来年度、北アルプス南部、御岳山でも各1カ所の環境型トイレを整備予定で、使用料は1回100円となる見通しという。同課は「駒ヶ岳はロープウエーで簡単に登れるため、登山者の意識も課題。駒ヶ岳の試行を基に、他地域でも料金についての議論を広げたい」としている。

写真:環境型トイレの整備が計画されている天狗荘