山岳遭難、早くも過去最多

冬山シーズン控え「注意を」

県内6〜8日の3連休に13件

信濃毎日新聞 掲載

平成24年10月10日(水)

スクラップ


 6〜8日の3連休に県内で13件の山岳遭難が発生し、ことし1月からの遭難件数が233件、遭難者数が256人に達したことが9日、県警地域課への取材で分かった。統計のある1954(昭和29)年以降では、1年間の遭難件数、遭難者数が最も多かった昨年(227件、251人)を既に上回った。今後、冬山シーズンの本格化とともに遭難がさらに増える可能性があり、同課は登山者に注意を呼び掛けている。

 8日までの山岳遭難は、前年同期と比べ件数で38件、遭難者数で40人増。遭難者のうち無事救出された65人を除く内訳は、負傷者150人(前年同期比30人増)、死者37人(同6人減)で、行方不明は前年同期と同じ4人となっている。

 遭難者の8割余りに当たる211人を県外在住者が占め、、年代別では40代以上が78・1%、60歳以上が46・0%。山域別では北アルプスが171件、中央アルプスが27件、八ケ岳が21件などだった。

 この3連休では、6日に3件、7日に8件、8日に2件の遭難が発生。7日に北アルプス涸沢で大阪府の男性(61)が突然倒れて死亡した他、8日には下伊那郡阿智村の黒川上流の山中で倒れていた飯田市の男性(63)の死亡が確認された。それぞれ病死と滑落死とみられる。

 同課は「健康志向で中高年を中心に登山者が増え、岩場で足を踏み外したり、道を見失ったりする事故が増えた」と指摘。「冬山登山は装備と天候の見極めが重要」と呼び掛けている。

写真:北アルプス奥穂高岳で遭難者を救助する県警ヘリコプター=8日午前6時6分、県警提供