県警地域部長に就任 中嶋 豊さん(59)

山を調べて地域を知る

信濃毎日新聞 掲載

平成24年03月26日(月)


 交番・駐在所やパトカー勤務などの警察官を束ねる県警地域部の部長に就いた。

 「県民に最も身近なのが、地域で制服姿で活動する警察官」。前任の佐久署長時代も意識していたことだ。着任直後に同署が統合した旧望月、南佐久両署の地元には治安悪を懸念する声もあった。「地域の奥まで頻繁にパトカーを走らせ警察官の姿を見せた。住民から『安心だ』と評価してもらえた」と自負する。

 県警本部の地域部門での勤務は今回が5度目。初代県警ヘリコプター「やまびこ」が配備された1981(昭和56)年当時は運航に当たった。2012年度未に新型ヘリが配備されることには縁も感じる。「高い機体性能を生かし、救助要請に適切に応えたい」

 「山のエキスパート」として知られる。かつて山岳遭難救助隊長を務め、機動隊や豊科署(現安曇野署)などを含め約12年間にわたり遭難救助に携わった。最近は好んで里山を歩く。山頂で見つけたほこらから地域の歴史をひもとくことも。「山を調べると地域の歴史が分かる。奥深いんだよね」と表情を緩め、「地域を知ることは仕事の上でも大事」と続けた。

 35年余の登山歴を生かした手持きの「信州山歩き地図(マップ)」は約400枚に上る。
南佐久郡佐久穂町出身。長野市の自宅で妻と暮らす。