山小屋のトイレ整備

2カ所に環境型導入

北ア南部の協議会決定

信濃毎日新聞 掲載

平成24年01月24日(火)


 環境省の山岳トイレ整備補助事業を活用して北アルプス南部に環境型トイレの整備を進めるため、同山域の山小屋関係者や県でつくる北ア南部地域協議会が23日、発足した=写真。松本市で同日開いた初会合で、2012年度に穂高連峰にある岳沢小屋と槍ケ岳近くのヒュッテ大槍へ環境型トイレを導入することを決めた。

 同事業は山域ごとに設ける協議会が実施主体となる。北ア南部地域は、県内では御岳山、木曽駒ケ岳に続く設立。県は2月中に2軒の山小屋のトイレ整備を申請する。

 環境型トイレには、し尿を分解するバイオ式や、便槽をヘリで搬出するタイプなどがある。岳沢小屋は昨年度にへリ搬出式のトイレを整備したが、利用者が多いことから、これに加えて約1千万円かけてバイオ式を新設する。ヒュッテ大槍は地下浸透方式をやめ、便槽を交換するタイプの環境型トイレに切り替える。整備費用は約2300万円。ともに経費の半額の補助を見込んでいる。

 同事業費は、国の本年度当初予算では1億7500万円だったが、「受益者負担のあり方が議論されていない」として、来年度の当初予算案では4割の削減となった。北ア南部地域協議会は、トイレ利用者の負担のあり方についても議論していく方針だ。