インドヒマラヤ未踏峰に初登頂

佐久の神津さんらの登山隊

信濃毎日新聞 掲載

平成23年08月26日(金)


 佐久市長土呂の神津一男さん(64)らの登山隊が今月初め、インド・ヒマラヤにある5890bの未踏峰に初登頂した。峰はインド北部のジャンムー・カシミール州の奥地にあり、正確な地図が無い中でトラブルもあったが、「誰も登っていない山に登るのは格別」と神津さん。神津さんはこれまでネパールのヒマラヤにある7000b級の未踏峰にも登頂している。

 登山は、中高年の登山グループ「労山マスターズ」 (森田稲吉郎事務局長=上田市)が企画した。登山仲間から寄せられた「ヒマラヤに登れそうな未踏峰がある」という情報を基に計画を練り、神津さんら60代の男性3人、女性1人で登山隊を結成、7月6日に日本を出発した。女性は現地で体調を崩し、男性3人が登頂に挑んだ。

 神津さんらは同月23日、4220bの地点にべースキャンプを張ろうとしたが、荷物を運ぶロバが登れず50bほど下ることになり、日程に影響が出た。目標の山は見えたが、日程的に登頂は難しいと思え、神津さんは「今回は無理かもしれない」と不安を感じたという。

 しかし、第1キャンプを設けた4746bの地点まで登った同月28日、目標とは別の未踏峰の山頂が見え、「あのドームなら登れる」と変更。8月3日午前2時半、5260bの第2キャンプからアタック、インド人の山岳ガイドら4人と共に午前10時20分、無事登頂した。

 未踏峰は無名で、神津さんらが「カルポ ティバ(白いドーム)」と名付けるよう、インド登山財団に申請する予定。神津さんは「体が続く限り山に登りたい」とし、来年も海外の山に挑むつもりだ。

写真:山頂付近で、インド人ガイドらと記念写真を撮る神津さん(左から3人目)らの登山隊=8月3日撮影、神津さん提供