諏訪地区遭対協救助隊長田中光彦さん死亡

救助に向かい夏沢峠で

信濃毎日新聞 掲載

平成23年06月25日(土)


 24日午前8時20分ごろ、八ヶ岳連峰・硫黄岳北の夏沢峠付近で、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊長の田中光彦さん(68)=諏訪郡原村=が倒れているのを登山者が見つけ、近くの山小屋を通じて茅野署に連絡した。同署員らが茅野市内の病院に搬送したが、既に死亡していた。死因は心筋梗塞とみられる。

 茅野署によると、田中さんは硫黄岳近くの山荘で22日夜に階段から転落して重体になった男性を救助するため、茅野署員、同協会救助隊員の計4人と24日午前5時半ごろ出動。同山荘へ向かったが、強風のため一人で夏沢峠方向に引き返した。同7時半ごろ、同署に「夏沢峠に着いた」「ここで待機する」と無線で伝えた後、連絡が途絶えた。

 田中さんは原村出身で、茅野市の大河原ヒュッテ経営。1963(昭和38)年に山岳救助活動を開始。89年から救助隊長を務め、約130人を救助した功績などで2009年に県知事表彰を受けた。

 茅野署の長谷川康彦署長は「2日前に元気な姿を見たばかりで信じられない。今は言葉もない」。同郷で同じ原山岳会に所属した清水澄・原村長は「おおらかな性格に加え、リーダーシップがあった。諏訪遭対協にとって大きな喪失」と惜しんだ。

 一方、山荘で重体となったのは東京都大島町の無職井上智雄さん(75)で、24日夕、収容先の茅野市内の病院で死亡が確認された。死因は脳挫傷。

 田中さんの葬儀・告別式は27日午後2時から、茅野市宮川安国寺の茅野シティホールで行う。自宅は諏訪郡原村払沢5782。喪主は妻の光子(みつこ)さん。