大雪渓で山開き「貞逸祭」

残雪踏み締めトレッキング

信濃毎日新聞 掲載

平成23年05月29日(日)


 北アルプス白馬連峰の開山祭「第45回貞貞逸祭」は28日北安曇郡白馬村の白馬大雪渓一帯で開かれた。猿倉登山口から大雪渓下部の白馬尻まで歩く記念トレッキングには県内外の約150人が参加した。

 参加者たちは、ブナの青葉が広がる猿倉周辺から冷気の漂う大雪渓へ。岩肌に咲くニリンソウやシラネアオイを探したり、白馬山案内人組合によるスキー滑走を見たりしながら、ざらめ状の雪を踏み締めて歩いた。一帯では4月以降も積雪が続き、同月末に発生した雪崩事故では、巻き込まれた3人が死亡している。5月に入ってから雪解けが急速に進み、残雪は例年並みというが、この日ガイドを務めた同組合の川村純一さん(61)は「斜面には雪渓上に落ちきっていない雪がある。雪の塊が崩れ落ちてくるのに注意してほしい」と話していた。

 貞逸祭は、白馬岳に山小屋を建てるなど山岳観光振興を進めた松沢貞逸(1889〜1926年)をしのび、村観光局などが毎年この時期に聞いている。

写真:高山植物を探すトレキクグ参加者