鬼無里・堂津岳登山道再び

地元の3年越しプロジェクト最終段階

来月11・12日作業ボランティア募集

信濃毎日新聞 掲載

平成23年05月28日(土)


 長野市の鬼無里観光振興会は、地区の北端にある堂津岳(1926b)の登山道を復活させるプロジェクトを進めている。かつて登山道があったが、30年ほど前に放置されて廃道同然の状態に。付近からの眺めは素晴らしいため、地元で「ぜひ観光に役立てよう」との機運が高まってきた。3年計画で整備しており、ことしの完成を目指す。6月11、12日にボランティアを募って整備する。

 堂津岳は、鬼無里地区と小谷村、新潟県妙高市の境に位置し、 「信州百名山」に選定されている。同振興会によると、登山道は昭和40年〜50年代にかけて、当時の国鉄の登山サークルによって切り開かれた。その後、整備が難しくなり、手付かずのままになっていたという。

 3年前、登山道を復活させようという話が地元で持ち上がり、振興会を中心に検討。09年から3年計画で整備することを決めた。県の地域発元気づくり支援金を活用し、ボランティアの力も借りて取り組んでい る。

 整備している登山道は、奥裾花自然園から稜線に入った場所から奥西山(1616b)を経て、堂津岳山頂までの約5・3`。これまで春と秋に、木々に覆われた部分を刈り払い、少しずつ道を切り開いた。09年は約1・2`、10年は1・9`を整備した。ことしは残りの部分を行う予定。

 同振興会によると、山頂までの稜線は緩やかな斜面で、戸隠連峰や北アルプスの眺望を楽しめる。片道はおよそ3〜4時間かかるという。「観光資源の一つとして活用できるように整備したい」と話している。

 6月11、12日は、いずれも午前9時に奥裾花観光センター前に集合。打ち合わせ後に登山を開始する。昼ごろ奥西山の山頂に到着し、整備を始める。午後5時半ごろ同センターに戻る計画だ。降雨が見込まれ各場合は前日に中止を連絡する。

 問い合わせは同振興会(026・256・3188)へ。

写真:堂津岳の登山道復活に向け、やぶの刈り払いをする参加者たち=2010年6月