山小屋3軒環境型トイレに

御岳山地域協が推薦決める

信濃毎日新聞 掲載

平成23年04月15日(金)


 木曽郡木曽町、王滝村、山小屋関係者らでつくる御岳山地域協議会が14日発足し、国の山小屋整備補助事業を活用して「環境型トイレ」を整備する対象として、石室山荘など同町内にある御岳山の山小屋3軒を国に推薦することを決めた。補助を受けるには本年度から地域協議会での議論、推薦が必要となり、県内の山域では御岳山で初めて発足した。

 3軒は9合目の石室山荘、7台目近くの一の又行場小屋、山頂近くの御嶽頂上山荘。いずれも便槽交換式の環境型トイレを導入予定で、整備費用はそれぞれ1200万〜1900万円。年度内の完成を目指しており、協議会は今後、利用者負担の在り方なども議論する。

 山小屋トイレ整備補助事業は、昨年6月に環境省が実施した省庁版事業仕分け「行政事業レビュー」で「廃止」とされ、存続が危ぶまれた。

 本年度から、山域ごとの協議会で整備箇所を議論して推薦する枠組みを導入して存続。有識者でつくる同省の山岳環境保全対策審査委員会が補助対象を決める。補助は整備費用の半額で、本年度の予算は1億5千万円。同委員会は4月未までに開く見通しだ。

 一方、御岳山など県立公園内の山小屋は2013年度までしか補助対象にならないため、県は「できるだけ県立公園を優先させ、未整備箇所の工事を進めていきたい」としている。本年度、中央アルプス木曽駒ヶ岳でも夏ごろまでに協議会が発足する予定だ。

写真:御岳山の三つの山小屋のトイレ整備を国に推薦することを決めた御岳山地域協議会=木曽町三岳支所