登山暦43年 いざチョモランマ

勝野さん「続ければ好機」

今春挑戦大阪の登山隊に参加

信濃毎日新聞 掲載

平成23年03月04日(金)


 県勤労者山岳連盟副会長の勝野秀次郎さん(62)=安曇野市穂高有明=は今春、世界最高峰チョモランマ(8848b、英名エベレスト)に挑む。登山歴43年。50代でヒマラヤの高峰登山を始め、2009年には世界8位のマナスル(8163b)に無酸素で登頂した。「続ければ好機が訪れるということを若者に示したい」と話している。

 これまで県関係のエベレスト登頂者は3人。 勝野さんは、日本勤労者山岳連盟に所属する大阪市の山岳会の隊に加わる。今月23日に出発。ネパール側で5千、6千b峰に登り、4月中旬に中国・チベット自治区に入って7千b峰に登る。5月初旬にチョモランマの約7800bに第2キャンプを設け、いったんネパールの首都カトマンズまで戻る。休養後、再びチベットに入り、5月中旬の登頂を目指す。約2カ月かけて上り下りを繰り返し、体を高所に慣れさせる。勝野さんは「順応さえできれば、技術的には難しくないと思う」と話す。

 大町市出身。19歳で地元山岳会に入り、北アルプス槍ケ岳北鎌尾根、唐沢岳幕岩など高難度の冬季登攀を重ねた。08年には世界5位のマカルー(8463b)の7千b台まで達した。

 「仲間がいたから続けてこられた。体力と技術、時間と金、家族の理解がそろった自分は幸せ」と勝野さん。「登頂して元気に戻ってくるのが最大の土産」と話している。

写真:マナスル山頂に立つ勝野さん(左)=2009年5月