雪崩標高差1000b超 ベースキャンプも被害

ヒマラヤ遭難

信濃毎日新聞 掲載

平成22年10月2日(土)


 ネパール・ヒマラヤの高峰ダウラギリ(8167b)で雪崩に巻き込まれた日本人登山家3人が行方不明になった山岳遭難で、標高差千bを超える大規模な雪崩が発生していたことが1日、パーティーの隊長を務める田辺治さん(49)=名古屋市=が所属する信大学士山岳会に入った情報などで分かった。

 同会員が現地の関係者から集めた情報によると、9月28日午前10時ごろ、標高約6700b付近で表層雪崩が発生。約6500b地点と約5400b地点に設けたテントを巻き込み、5000b付近まで雪が流れた。5000b付近に設けたベースキャンプも雪崩で発生した突風で被害を受けたという。

 行方不明になっている田辺さん、北安曇郡白馬村の本田大輔さん(32)、富山県朝日町の山本季生さん(36)の3人は、5400b地点のテント直下を登山中に雪崩の直撃を受けた。3人が流されたと思われる場所は厚さ数十bの雪で覆われ、再び雪崩が発生する危険もあり、捜索は困難を極めているという。

写真:2008年に北安曇郡小谷村で山スキーをする本田大輔さん