ヒマラヤ遭難3人の捜索開始

信濃毎日新聞 掲載

平成21年10月01日(金)


 【カトマンズ共同】ネパール・ヒマラヤの高峰ダウラギリ(8167b)で雪崩に巻き込まれた日本人登山家3人が行方不明になった遭難で、雪崩から脱出した同じ登山隊の日本人らは30日、不明者捜索のためベースキャンプを出発、発見に全力を挙げた。ネパール政府当局者が明らかにした。

 当局者らによると、助かった日本人4人のうち2人は捜索を続行。軽傷を負い、29日にカトマンズで治療を受けた愛知県豊橋市の磯田寛さん(64)と宮城県富谷町のクドゥ・ノボルさん(55)=漢字不明=は30日、帰国の途に就いた。

 登山ガイドらでつくる日本プロガイド協会によると、行方不明の3人は、信大学士山岳会に所属する名古屋市の田辺治さん(49)、北安曇郡白馬村の本田大輔さん(32)、富山県朝日町の山本季生さん(36)。

 信大学士山岳会の会員が近く現地へ
 ダウラギリ峰で日本人登山家3人が雪崩に巻き込まれた遭難で、パーティーの隊長を務める名古屋市中区の田辺治さんが所属する日本プロガイド協会や家族は30日、捜索活動について現地と連絡を取り合うなど対応に追われた。

 協会事務所がある愛知県刈谷市の登山用品店「穂高」には、行方不明になっ・ている白馬村の本田大輔さんの両親らが集まり、現地からの情報を待った。

 信大学士山岳会の会長宮崎敏孝さん(68)=塩尻市北小野=によると、会員で同協会にも所属する山岳ガイドが一両日中に現地に向かうといい、「必要があれば山岳会として支援する」。田辺さんについては「一歩間違えれば命を落とすような登山でも安全に登り、下りてくることを実践した人」とし、「はるか上方の斜面からの雪崩だったのなら、予想は極めて困難だったのだろう」と話した。

 田辺さんのパーティーは9月6日、ネパール入り。10月末から11月初めに帰国予定だった。