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北ア鳴沢岳京都の3人不明 | |||||||
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二十七日午前十時すぎ、京都府立大(京都市)から「北アルプスに向かった山岳部の三人が下山予定の二十六日をすぎても連絡が取れない」と、大町署に通報があった。長野、富山両県警は遭難した可能性があるとみてヘリコブターなどで捜索。二十七日午後五時二十分ごろ、北ア鳴沢岳(標高二、六四一b)の山頂北側斜面で倒れている人を見つけた。捜索は悪天候と日没のためいったん終了、二十八日朝から再開する。
連絡が取れないのは大津市の同大大学院助教で山岳部コーチの伊藤達夫さん(51)と、ともに京都市の同大大学院博士課程二年桜井聖悟さん(25)同大三年安西愛さん(20)。
大町署によると、三人は二十五日、大町市の立山黒部アルペンルトト扇沢駅から関電トンネルトロリーバスで黒部ダムに出た後、黒部川沿いを経由して鳴沢岳に登り、二十六日午後に扇沢に下山する予定だった。
長野県警ヘリが二十七日午後四時二十分ごろ、鳴沢岳山頂付近で登山者の足跡を発見し、富山県警に連絡。同県警上市署によると、倒れていた人は青っぽい上着の上下姿。強風で近づけない状態だったという。
大町署や長野県警によると、三人はテントなどの装備と、二日分の食料と非常食を持参している。鳴沢岳付近は二十五、二十六日の積雪で表層雪崩が起きやすい状態だったとみられるという。長野地方気象台は、二十五、二十六日の北アは低気圧が通過した影響で、荒天だったとしている。
「熟知のはず」無事祈る部員
「無事でいて」「鳴沢岳を熟知しているはずだが」−。悪天候の二十五日から北アルプス鳴沢岳を目指し、二十七日になっても連絡が取れない京都府立大の三人。大学関係者は対応に追われ、山岳部員や、メンバーを知る県内山岳関係者りは無事を祈った。
同大によると、山岳部コーチの伊藤達夫さんば登山歴三十五年ほどのベテラン。「鳴沢岳には何度も登っている」(学務課)という。桜井聖悟さんの登山経験は三年、安西愛さんは高校時代と合わせ五年の経験があるという。
同大はこの日、長野県警に救助要請するとともに、大学内に対策本部を設置。山岳部員とOBの計四人を大町署などに派遣した。三人の携帯電話にかけているが、電波の届かない状態だという。大町署には午後六時ごろ、山岳部のOB男性(27)=横浜市=と部員男性(21)=京都府=が駆けつけたが、「学生らは登山を楽しみにしていた」「無事でいることを祈っている」と言葉少なだった。
写真:大町署に駈けつけた京都府=立大山岳部員ら=27日午後8時50分すぎ