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遭難死者計8人に 白馬岳の4人収容 | |||||||
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北アルプス白馬岳の七人パーティーの遭難で死者は計四人となり、九日、ヘリコプターで収容された。白馬岳北東方の小蓮華山、北ア南部の前穂高岳、御岳山でも同日、それぞれ登山者一人を遺体で収容。この山域で連休中に死亡したのは奥穂高岳の岐阜側の一人を含め計八人となった。いずれも凍死とみられる。ほかに、上高地から入山した一人が行方不明。
白馬岳で七日に救助要請した福岡県大牟田市の登山ガイド田上和弘さん(48)と軽傷の女性二人は九日、山小屋からヘリで救助された。死亡が確認されたのは、山小屋に収容されていた熊本県大津町、無職小場佐香代予さん(53)、稜線(りょうせん)上で倒れていた熊本市の無職渡辺和江さん(61)と、ビバークしたまま連絡が取れなくなっでいた福岡市の無職古賀利枝さん(66)と古賀純子吉ん(61)の姉妹。大町署によると、姉妹は山頂直下の白馬山荘まで約四、五百bの所で見つかった。
また九日午前九時四十分ごろ、前穂高岳山頂近くでビバークしていた兵庫県高砂市、薬剤師安田尚代さん(50)が動かなくなったと、同行の男性が携帯電話で岐阜県警高山署に救助要請。長野県の防災ヘリが二人を松本市内の病院に運んだが、安田さんは死亡した。男性は無事。松本署によると、六日に上高地から入山、テント泊で前穂高岳北尾根を登っていた。
小蓮華山で死亡したのは京都市右京区の会社員岡田景介さん(30)で、新潟県警ヘリが山頂付近で遺体を収容。木曽郡木曽町三岳の御岳山では九日午前八時半ごろ、神奈川県逗子市、歯科医足立光弘さん(47)が倒れているのを登山者が見つけ、長野県警ヘリが郡内の病院に収容したが、既に死亡していた。
十日には、神奈川県伊勢原市の会社員小柳正明さん(48)が北ア方面に登山に出掛けたまま戻らないと、父親が松本署に届け出た。同署によると、七日に上高地から一人で入山、西穂高岳、奥穂高岳などを縦走し九日に下山の予定だった。
ガイド会見「気象判断ミス」
「想像を絶するブリザードだった。気象判断のミスだと思っている」。北アルプス白馬岳で四人が凍死した九州の七人パーティーの一人で、登山ガイドの田上和弘さんは九日、大町署で記者会見し沈痛な表情で遭難を振り返った。
入山前日の六日夜、山小屋で見た天気予報からは「低気圧が台風並みに発達すると判断できなかった」。ヤッケなども冬山に対応できるものではなかったという。
七日午前五時十分、小雨の中、富山県の祖母谷(ばばだに)温泉を出発。雨がみぞれに変わり、午後三時半ごろには猛吹雪に。古賀利枝さん、純子さん姉妹は眼鏡が曇り、歩みが遅れる。古賀さん姉妹が進めなくなり、一人でも担いで小屋に駆け込もう」と利枝さんを抱き上げようとすると、利枝さんは「妹を置いていけん」と拒んだ。
田上さんは「皆さんに非常に迷惑をかけました。ご遭族の方につぐなっていかないといけないと思っている」と話した。
写真:遭難時の様子を話す山岳ガイドの田上和弘さん=19日、大町暑